パパママ息子

乳幼児の息子がおります。子育てに関したりしなかったりするアレコレ書いてます

夜に会って寝るだけの関係

今週のお題「眠れないときにすること」

 

久しぶりにはてなブログのお題にチャレンジしてみる。お題に沿って記事を書くって結構難しいよね。

 

眠れない時って大体考え事してる時で、わざわざ寝る前に考えなくても良い様な事をグルグル考えてる。そうしてる内に段々と目が覚めてきちゃって、何とはなしにぼんやり起きてる。

 

そんな夜は大抵、手持ち無沙汰に布団を抱きしめて、体に巻きつけてみたり顔を埋めたりして心地よいポジションを探したりする。でもなかなか睡魔は訪れてくれなくて「うーん」と唸りながら布団の中に潜り込んだりしていると。

 

布団「眠れないの?」

 

ふいに布団が声をかけてきた。私は「んー...」と、肯定とも否定とも取れないうめき声をあげ「明日も早いんだけどね」と答える。「それ...答えてる様で答えてないね」と布団が笑う。布団にはわからないさ...なんて、言ったらちょっと傷つけるかもしれない。答える代わりに私は布団をギュッと抱き寄せる。

 

布団「都合が良いんだから」

 

呆れた様に笑いながらも、布団は私の手を払い除ける様なことはしない。都合が良いのはお互い様だなと思う。布団とはもう随分とこうして、夜に会って寝るだけの関係をズルズルと続けている。別に布団とは付き合ってる訳じゃない。夜に会ってただ寝るだけの関係。それ以上でも、それ以下でもない。

 

私「このまま朝が来なければ良いのにね」

 

なんて。そんな事は叶いはしないって自分が一番わかってる。布団は「それならずっと一緒にいられるね」と言いながら、私の体を包む。ただお互いを求め合う様に体を寄せる。肌を合わせれば合わせるほど、暖かいのは自分なのか、布団なのかわからなくなる。

 

しかし、なかなか眠気は思うように訪れない。夜の時間は起きて過ごすには長すぎるはずなのに、焦りばかりが募っていく。時計の針の音がやけに大きく感じて、自分が唾を飲む音さえも耳につく。ソッと布団を押し除け「ちょっと水でも飲んでくる」と立ち上がろうとする。

 

「待って...」と布団が私を呼び止めた。体を静かに起こしながら「何?」と私は布団に返す。一瞬、布団は何かを迷う様に目を逸らす。しばらくの沈黙の後、「ソファーに会いに行くの?」と布団がきいてきた。

 

思っても見なかった質問に思わず、体が強張る。しかし、心とは裏腹に背を向けながら「布団には関係ないじゃん」と無機質に返事をする。そう。布団には関係ない。

 

布団「やめたほうが良いよ...」

 

振り向いて布団に目をやる。布団は目を合わせようとしない。俯いたまま、ギュッと何かに耐える様に目を伏せている。黙っていると布団は「ソファーとも寝てるんでしょ?」と振り絞る様に呟いた。

 

私「それを知ってどうするのさ?」

 

布団には関係ない。そう。関係のない話だ。だから別段、悪びれる訳でもなく「酔った勢いで何回か寝ただけ」と、端的に言う。酒に酔って、風呂に入るのも面倒くさくて、そのままソファーで横になってる内に寝た。ソファーとはただそれだけの関係だ。

 

私「別に布団に攻められる筋合いないでしょ?」

 

布団「誰でもよかったんだ?寝れるなら誰でも良かったんだ!?」

 

私「そうだよ!悪い?だって...俺らそう言う関係だろ?」

 

口にしてからハッとした。気付くと布団は目に涙を溜めながら、しかしそれをこぼすまいと耐えている。

 

布団「ソファーじゃ首を...!」

 

「痛めるかもしれない...」と、布団の声は掠れた様に夜の静寂に溶けていく。返す言葉も出ない。しばらく動く事もできないまま、ただ静かに俯いて嗚咽を漏らす布団を眺めてた。

 

私「布団なら痛くならないのかよ?」

 

布団がコクリと頷く。わざと深めにため息をつく。「何だか今日はなかなか寝付けないんだけど」と言うと、布団が俯きながら手招きした。

 

私が横たわると布団が上から覆い被さり、足先まですっぽりと覆ってしまう。両腕だけ布団から出して、布団をギュッと抱きしめる。布団からはほんのり、お日様の匂いがする。

 

私「昼間、誰に干してもらったの?」

 

答えなんてわかりきってるのに問いかける。布団は上目遣いでこちらを見上げ「それわざわざ聞く?」と困った様な顔をした。

 

布団「あなたの奥さんが干してくれた。でも、私達が夜こんな事してるなんて、奥さんは夢にも思ってないね」

 

「そうだね」なんて嘯きながら、妻が気づいていない訳がないと心の中で思う。気づいていて、何にも言わないだけだ。だって。そう。なぜなら、ただ布団で寝てるだけだから。

 

寝れない夜は布団でそのまま寝るか、気分を変えてソファーで寝るか、結構悩む。布団だと何だか今日は落ち着かないんだけど、ソファーは首を痛めるよなぁぁぁ。なんて考えてる内に気付くと寝てる。昼間に妻が干してくれた布団ってお日様の匂いがして気持ち良いよね。今日はそんなお話でした。

 

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